こんにちは、日河 翔です。
常寂光寺から 二尊院 はごく近いので、両寺院を訪ねる方は多いと思います。
私は野宮神社から出発し、小倉池を経て常寂光寺、二尊院の順に訪ねたのですが、別の場所を巡ってから二尊院へ来られた参拝者が、お疲れになられたようで、常寂光寺は諦めようと話しておられました。
それを聞いて、常寂光寺の美しさに打ちのめされた身としては(もったいない!)と気の毒になりました。個人的には、両方お参りになることをお薦めします。
とは言え、私も取材を主たる目的にして訪ねる時は、阪急嵐山駅からバスで直行しようと思いました。帰途、足が棒になりましたので・・・。
二尊院を訪れたのは初めてでしたが、本堂へ上がってから、何故か涙が出そうになって驚きました。
お参りする場所と、ご本尊様の距離が近いためでしょうか・・・本当に不思議です。
神社で涙が出てしまう経験は時々ありますが、お寺さんでは珍しく、何だかあたたかい場所だなぁとしみじみ感じてしまいました。
本堂の濡れ縁は、参拝者が庭を眺めながら休憩していらっしゃいますが、納経所側の濡れ縁がまた最高なのです。
御本尊に近く、御仏様と小倉山の気配を感じながら、陽だまりに包まれる至福の時間。
ああ、ここで執筆したい・・・・・・
思わず贅沢な妄想をしてしまいましたが、参拝者の方々にご迷惑をおかけしない範囲で、すみっこの方で少しだけ文章スケッチをするつもりです。
総門付近と広縁には、お花が活けてありました。お寺さんのお心遣いを感じます。
秋の花の隣に座して、ともに庭を眺めていると心が和みました。
またここで心を鎮めて、物語が息づいてゆくのを待ちたいと思います。
二尊院と言えば「紅葉の馬場」ですよね。総門から西へ200mほど伸びる参道のことです。広々としているので、紅葉の見頃シーズンでも混雑して困るというわけではありません。グラデーションの美しさが目を引きます。
どこを取っても絵になる境内でした。
すっかり 二尊院様と常寂光寺 様のファンになってしまいました。
寒さに負けず、冬もお訪ねします!
両寺院については、まだまだ書きたいことがあるのですが、『くれなゐ君』の11回目の校正にも取りかからないといけないので、また後日にいたします。
<著書のご案内>
『くれなゐ君』
常陸宮の姫君は幼いながら、都一不器量で無教養と評判だった。
紅君(くれないぎみ)という通り名に惹かれ、元服前の少年・実孝は常陸宮邸で姫君を垣間見る。
まっすぐな姫君と、不器用な貴公子のすれ違う初恋は、都の異変とともに押し寄せた運命の渦に巻き込まれてゆく。
「あなたを殺しはしない、決して。この身など惜しくはないのだから」
二人を取り巻くのは先帝の長子・一の宮の死、短命だった斎宮、奇怪な流行り病・・・。出家を望みながらも、巫(かんなぎ)の血に目覚めていく紅君は、数奇な運命をたどり始める。
源氏物語の「末摘花」を下敷きに、一人の少女を軸として、美しい情景を交えて織りなされた平安王朝絵巻。