ともしびの花 ~日河 翔の創作手帖~

作品のお知らせや創作活動に関すること、訪ねた寺社の紹介などを綴っています。

平均執筆時間のとらえ方

 

ようやく8回目の校正に入りました。我ながら何と作業が遅いのだろうと、落ち込みつつ呆れかえる毎日です。


いったい、一日にどのくらい執筆に関する作業(今は校正のみですが)をしているのか、先週記録してみました。結果、一日に平均1時間未満でした。この1時間はまとまった時間ではなく、細切れです。


もっと増やせるはずだ、毎日の工夫が足りないと己を叱咤し、半年以上試行錯誤してきましたが・・・やはり、増えない。

テレビ番組やDVDを観ているわけでも、ゲームをしているわけでも、ネットサーフィンをしているわけでもないですが、増えない。物理的な限界を感じました。


仕事が忙しく睡眠時間を削っていた頃は、風邪をひくと39度近く熱が上がることが、一年間のうちに4、5回ありました。

免疫力を維持するのは大切ですね。平均一日に5時間30分~6時間30分程度の睡眠を取ると、ほとんど風邪もひかなくなりました。
 
この1時間(未満)をどう見るか。

足りない、足りないと思っていると焦りとストレスしか生みませんが、よく考えてみれば今年の3月までは0分だったわけです。0分から60分に増えた、実に驚くべき増加です。

どんな分野においても、例え1日10分でも積み上げていけば何らかの形を成してきます。継続は力なり、と改めて肝に銘じたいと思います。


個人出版のメリットは、マイペースで執筆活動を続けていけることですね。

締切がないと甘えが出て、作業速度がさらに遅くなるという一面も、確かにあります。

しかし、完全に立ち止まらない限り、作品はいつか完成すると信じて、一歩一歩前へと書き進めていきたいと考えています。

 

<追記>

この記事を書いた後、執筆時間が平均1時間あるというのは、とても贅沢なことではないかと思いいたりました。寸暇を惜しんで頑張っている人が、世の中には大勢いらっしゃるのではないか・・・そう思うと、自分が恥ずかしいです。考え方がそもそもなっていなくて、時間の使い方が下手なだけなのだと思います。

上記では例え10分でも、と表現しましたが、もっと言えば5分でも前に進めるのに、現状に甘えていました。1分1分を大切に過ごしたいものですね!

 

著書のご案内

『くれなゐ君』

常陸宮の姫君は幼いながら、都一不器量で無教養と評判だった。

紅君(くれないぎみ)という通り名に惹かれ、元服前の少年・実孝は常陸宮邸で姫君を垣間見る。
まっすぐな姫君と、不器用な貴公子のすれ違う初恋は、都の異変とともに押し寄せた運命の渦に巻き込まれてゆく。

 

「あなたを殺しはしない、決して。この身など惜しくはないのだから」

 

二人を取り巻くのは先帝の長子・一の宮の死、短命だった斎宮、奇怪な流行り病・・・。出家を望みながらも、巫(かんなぎ)の血に目覚めていく紅君は、数奇な運命をたどり始める。

源氏物語の「末摘花」を下敷きに、一人の少女を軸として、美しい情景を交えて織りなされた平安王朝絵巻。