初めまして、日河 翔(ひかわ しょう)と申します。
2022年10月~12月頃、AmazonのKindleにて、平安時代を舞台にしたファンタジー小説の出版を予定しています。
出版にあたり、ブログやSNSを開設しておくことが望ましいとは承知していながら、随分と逡巡した挙げ句、SNSだけにしようと一旦は決めていました。
執筆時間の確保が先決で、とてもブログやSNSにまで手が回らないからです。
自分が遅筆で、ブログもSNSも両方苦手なためでもあります。
しかし。
出版後のKindleストアを想像すると、自著はまるで宇宙空間に浮かぶ塵・・・大砂漠の砂一粒。とても探せる気がしません。誰かに見つけてもらえることは、奇跡に等しいです。
例えて言えば、自分の本は巨大な書店の片隅ではなく、書店員さんしか開けられない引き出しの、さらに奥にあるようなものです。
出版だけして海底へ放り出し、次作に取りかかることは、作品に対して誠意に欠けるのではないか・・・と急に申し訳なく感じたため、三日坊主になるのも覚悟の上でブログを始めてみました。せめてほんのわずかでも、作品の所在を示すものを残しておくためです。
物書きにとって作品は、自分の手を離れた別の存在でもあります。個人的には、仏師と仏像の関係にも似ていると思います。
作品に対して誠実でありたい、自分にできる限りのことをしてから、次回作に心を傾けたいと考えています。
このブログもツイッターも、誰にも読まれることはないかもしれません。そう思うと、気負わずに初めの一歩を踏み出すことができます。
作品の所在の目印を、ひっそりと綴り続けていきたいと思っています。
<著書のご案内>
『くれなゐ君』
常陸宮の姫君は幼いながら、都一不器量で無教養と評判だった。
紅君(くれないぎみ)という通り名に惹かれ、元服前の少年・実孝は常陸宮邸で姫君を垣間見る。
まっすぐな姫君と、不器用な貴公子のすれ違う初恋は、都の異変とともに押し寄せた運命の渦に巻き込まれてゆく。
「あなたを殺しはしない、決して。この身など惜しくはないのだから」
二人を取り巻くのは先帝の長子・一の宮の死、短命だった斎宮、奇怪な流行り病・・・。出家を望みながらも、巫(かんなぎ)の血に目覚めていく紅君は、数奇な運命をたどり始める。
源氏物語の「末摘花」を下敷きに、一人の少女を軸として、美しい情景を交えて織りなされた平安王朝絵巻。